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|白洲隆也

年収1000万円の所得税・住民税はいくら?税金の計算方法と内訳

年収1000万円は「高収入」のイメージがありますが、給与明細を見ると「思ったより手取りが少ない...」と 感じる方が非常に多い年収帯です。 額面1000万円から引かれる税金は所得税と住民税だけで約147万円。 社会保険料と合わせると約287万円が天引きされ、手取りは約720万円になります。 この記事では税金の計算過程を一つずつ分解して解説します。

約84万円

所得税

累進課税・税率20%

約63万円

住民税

一律10%+均等割

約147万円

税金合計

額面の約14.7%

年収1000万円は「手取りが少ない」代表格

年収500万円の手取り率は約78%ですが、年収1000万円では約72%にまで下がります。 累進課税で所得税率が上がるうえ、配偶者控除の制限や児童手当の所得制限など、 高年収ほど受けられない優遇措置も増えていきます。

所得税の計算ステップ

所得税は「額面年収」にそのまま税率をかけるわけではありません。 いくつかの控除を差し引いた「課税所得」に対して税率が適用されます。

年収1000万円の所得税 計算過程(独身・扶養なし)
ステップ金額説明
額面年収1,000万円
① 給与所得控除−195万円年収850万超は上限195万円
= 給与所得805万円
② 社会保険料控除−約140万円健康保険+厚生年金+雇用保険
③ 基礎控除−48万円すべての納税者に適用
= 課税所得約622万円
④ 所得税率 20%330万〜695万円の部分に適用
⑤ 税額控除−427,500円速算控除額
= 所得税額約84万円復興特別所得税2.1%を含む

給与所得控除は195万円で頭打ち

給与所得控除は年収850万円超で上限の195万円に達します。 そのため年収850万円以上では、年収が上がるほど控除の恩恵が薄れ、 税負担が急速に重くなる仕組みになっています。

住民税の計算ステップ

年収1000万円の住民税 計算過程(独身・扶養なし)
ステップ金額説明
給与所得805万円所得税と同じ
① 社会保険料控除−約140万円所得税と同じ
② 基礎控除−43万円住民税の基礎控除は43万円
= 課税所得約622万円所得税とは若干異なる
③ 所得割(税率10%)約62.2万円都道府県4%+市区町村6%
④ 均等割5,000円都道府県1,500円+市区町村3,500円
= 住民税額約63万円

住民税は「後払い」です

住民税は前年の所得に基づいて計算され、翌年6月〜翌々年5月に徴収されます。 年収1000万円から転職して年収が下がっても、前年ベースの高い住民税が請求されます。 退職後の住民税の支払いにも注意が必要です。

社会保険料も含めた天引き全体像

年収1000万円の天引き総額(独身・扶養なし)
項目年額月額換算備考
健康保険料約49万円約4.1万円協会けんぽ・自己負担約5%
厚生年金保険料約71万円約5.9万円自己負担9.15%(上限あり)
雇用保険料約6万円約0.5万円労働者負担0.6%
所得税約84万円約7.0万円累進課税・税率20%
住民税約63万円約5.3万円一律10%
合計約273万円約22.8万円手取り率 約72%

配偶者控除の制限について

年収1000万円では配偶者控除が大幅に縮小される点に注意が必要です。 合計所得金額900万超(年収約1,095万円超)で配偶者控除は完全に消失しますが、 年収1000万円(所得805万円)の段階でも控除額は通常の38万円から26万円に減額されます。

合計所得金額と配偶者控除額の関係
合計所得金額年収の目安配偶者控除額通常との差
900万円以下〜約1,095万円38万円—(満額)
900万超〜950万以下〜約1,145万円26万円−12万円
950万超〜1,000万以下〜約1,195万円13万円−25万円
1,000万円超約1,195万円超0円完全消失

年収1000万円は控除の「崖」に注意

年収1000万円前後は配偶者控除の縮小だけでなく、児童手当の特例給付にも 所得制限があります。額面年収が同じでも、家族構成によって手取りに大きな差が出る年収帯です。

扶養家族がいる場合の税金

配偶者や子どもがいる場合、扶養控除が適用されますが、 配偶者控除は前述のとおり年収1000万円では縮小されます。

年収1000万円の家族構成別 税金比較
家族構成所得税住民税税金合計独身との差
独身・扶養なし約84万円約63万円約147万円
夫婦(配偶者控除あり)約79万円約60万円約139万円約−8万円
夫婦+子1人(高校生)約71万円約57万円約128万円約−19万円
夫婦+子2人(高校生+大学生)約62万円約53万円約115万円約−32万円

税金を軽減する方法

ふるさと納税

限度額約17.6万円(独身)。自己負担2,000円で高額な返礼品を受け取れます。 年収1000万円は限度額が大きいため、複数自治体への寄附も活用できます。

iDeCo

掛金が全額所得控除。所得税率20%の年収帯では 月2.3万円の拠出で年間約8.3万円の節税効果があります。

医療費控除

年間の医療費が10万円を超えた分が所得控除。 所得税率20%のため、控除額×30%(所得税20%+住民税10%)の節税効果があります。

生命保険料控除

一般・介護医療・個人年金の3枠で最大12万円の所得控除。 年末調整で申請できます。

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よくある質問

年収1000万円の所得税はいくら?

独身・扶養なしの場合、所得税は約84万円です。 給与所得控除195万円と基礎控除48万円を差し引いた課税所得約622万円に対して税率20%が適用されます。

年収1000万円の住民税はいくら?

独身・扶養なしの場合、住民税は約63万円です。 所得割(10%)が約62.2万円、均等割が約5,000円の合計です。

年収1000万円で配偶者控除は使える?

年収1000万円(所得805万円)では配偶者控除は26万円に縮小されます。 合計所得金額が900万円超(年収約1,095万円超)で完全に消失するため、 年収が上がるほど控除の恩恵が小さくなります。